TAKESHI MASADA | Exhibition | Gallery Tsukigime | ギャラリー月極

TAKESHI MASADA
"モクモクボウボウぐるぐるぐるぐる、すぅぅ。不可解が現れる時 はいつもそう。ところで、それは何の話ですか?" @OKYAKU
2022/4/23~未定

この度、OKYAKU では、政田武史氏による展示『モクモクボウボウぐるぐるぐるぐる、すぅぅ。不可解が現れる時 はいつもそう。ところで、それは何の話ですか?』を開催します。本展では、高知の妖怪にまつわる伝承を、政田 武史的視点で、可愛らしくも毒々しく、どこか恐々しく描きます。

「恐怖を克服するために絵を描き始めた」そう幼少期のことを話す政田氏が初めて高知を訪れたのは昨年のこと。都 市大阪育ちの作家にとって、高知の多種多様な自然の姿は、あまりに非日常的な光景であり、故にそこに恐怖すら 抱いたと言う。

日中、陽の光を浴び豊かな色彩に染まった山々に、作家は非日常的な美的感動を覚えた。しかし、夕刻、陽の光が 陰りだすと、日中あれほど寛美であった山々が、大きな影となって眼前に迫ってくる。その大きさは、認識の域を 超えた、正に至大な黒の塊であって、時に風が吹けば「ゴォオ」と唸り、時に一切の静けさでそこに佇んだ。

人は常に認識できないものに恐れを感じ、それを克服するために物語をあたえてきた。「死」を克服するために、「あ の世」なるものを創造し、天災が襲っても「神の思し召」だと納得し前を向く。大概のものごとが化学的に証明可 能な現代にあっても尚、この類の物語が人々の心の拠り所であり続けるのだろうとも思う。

非常にクリエーティブだ。

今回、作家がテーマに据えた妖怪にまつわる伝承もその類だろう。人の認識の範疇を超えた、自然現象や怪奇現象( 実 際には、常に因果があるとしておいて… )、理解を超えた人間の所業、それらにキャラクターを与え、あくまで人が 制御できる範囲の出来事として認識する。

しかし、それらは常にどこか人間にとって都合良く、可笑しく描かれる。救いがあるというのか、余地があるとい うのか。ある人には、ただの妖怪話でも、誰かにとっては、心の拠り所だったりする。

政田氏の描く、高知の妖怪たちはあなたにはどうのように映るだろうか。 是非、この機会に皆様にご高覧いただけますと幸いです。