会期:2025年1月18日(土) – 2月2日(日)※月休廊
開場時間:14:00 – 20:00(火 – 土) 13:00 – 19:00(日)
入場:無料
会場:月極
住所:〒152-0001 東京都目黒区中央町1丁目3-2 B1
HP:https://tsukigime.space
Instagram:@tsukigime.space
「けっこうけだらけ Opening Reception」
会期:2025年1月18日(土)
開場時間:17:30 – 23:00
入場:無料
会場:月極 & メグロネオン
Instagram:@tsukigime.space / @meguroneon
“圧倒的な解像度でちぎり絵を描くAki Yamanakaと
積み重ね繰り返すことで偶発的に描く上田走の2人展”
この度、月極では東京を拠点に活動する画家の上田走と、高知を拠点に活動するちぎり絵作家のAki Yamanakaによる展示『けっこうけだらけ』を、1月18日(土)から2月2日(日)の会期で開催致します。
彼らは、互いに和紙を使用し、気高く神秘的な作品を生み出す作家だが、そのスタイルは対極的です。
まずは、上田走。彼は時折、登山をしたり旅行に行ったりします。そこで出会った動物や自然、さらに風習や思想など、その時に出会った気になったモノやコトをスケッチし、そこから得たインスピレーションを元に作品を生み出していくのです。偶像を描いては、塗り潰し、また描き、時には和紙を使って重ねて、また描く。この彼のルーツであるアニメーションのレイヤーを彷彿させる製作過程を、積み重ね繰り返すことで偶発的に完成した絵は、独特なタッチと鮮やかな色使いが特徴となっています。
一方、Aki Yamanakaの作品は、上田走とは真逆であり、素材である高知の和紙『土佐典具帖紙』からの逆算により生まれます。長い繊維と世界で一番薄いこの和紙を観察し、手を加えることで見える和紙の繊維の表情からインスピレーションを得て、作品を生み出します。すき上げられた無数の繊維の集合体(シート)である和紙を、もう一度繊維の状態までちぎり(解き)、その一本一本の繊維を、体毛に見立て、植毛するように、緻密に配置し、偶像へと再構築するのです。完成した作品は、ちぎり絵の概念を覆してしまうほど写実的。中でも彼が描いた虎の絵は、強い眼差しと、しなやかな毛並みが際立ち、写真よりも緻密で圧倒的な存在感を放ちます。
そんな彼らが開催する展示『けっこうけだらけ』は、彼らの作品の中でも象徴的な獣(動物)に特化した内容です。虎のモチーフを得意とする2人が好きな『男はつらいよ』の主人公である寅さんの口上の引用であり、獣の毛でもあります。他にも2人を取り巻く様々な「け」を象徴したタイトルとなっています。そんな本展では、2人による合作も展示されます。和紙を使った作品を作る真逆のスタイルの2人が、どのよラボレーションするのか。ぜひ皆様にご高覧頂けますと幸いです。
[Artist Profile]
Hashiru Ueda / ウエダ ハシル
1977年生まれ、神奈川県出身。アニメーション制作コンビ OHRYSBIRDとして活動の経た後、2023年より画家・イラストレーターとして活動をスタート。国内外のギャラリーやスペースにて、精力的に個展を行っている。Oakwood Hotel(京都)や渋谷PARCOにオープンした「虎へびコーヒー」へのアートワークの提供なども記憶に新しい。その他のイラストレーションワークにアパレルブランド「Sasquatchfabrix.」とコラボレーションした「Kamisabiru」では、冊子とTシャツへイラストを手掛けた。アニメーションワークでは、NHK総合「星新一ショートショート」、「紙幣」、「ぼろ屋の住人」、NHK教育テレビ「青春リアル」、Eテレ「シャキーン」などが代表作としてあげられる。
Instagram:@hashiruueda
[ 略歴 ]
2008年 「POCKET FILMS FESTIVAL」ポンピドゥーセンター(フランス)
2017年 「NOWJAPAN」LITEXPO(リトアニア)
2017年 「あざみ野こどもぎゃらりぃ」横浜市民ギャラリーあざみ野(横浜)
2021年 個展「シャリバテ」OKYAKU(高知)
2022年 個展「富より健康」月極(東京)
2023年 個展「ネヴァーマインド」kolonihave(北海道)
2024年 個展「マグレ」せんとぴゅあ(北海道)
Aki Yamanaka / アキ ヤマナカ
土佐典具紙職人との出会いをきっかけにちぎり絵の世界に入る。現在のちぎり絵をより発展させるため独自の手法を研究、和紙を繊維の域まで解し作成する細密表現を得意とする。Aki Yamanakaの作品は、一言で、端的に「ちぎり絵」と形容してしまうには、その工程はあまりに狂気的なまでに繊細で、途方もない時間と手数によって成っている。それは、ある意味 「ちぎり絵」のこれまでの機念を覆すものと言っても過言ではない。漉き上げられた、無数の繊維の集合体(シート)である和紙を、繊維の状態まで再度ちぎり(解き)植毛するかの如く一本一本の繊維を、動物の体毛に見立て、具象に再構築する。圧倒的な「解像度」を持った繊維のタブロー。素材となっている土佐典具帖紙が既に途方もない下処理と作業の産物であることを考えると作品にかけられた狂気的なものづくりへの執着も窺える。
Instagram:@aki.yamanaka_tengu
[ 略歴 ]
1985年 高知県高知市生まれ、同地在住。
2011年 ちぎり絵を開始する
2019年 天皇皇后両陛下、形子女王殿下への献上品として作品を献上
2020年 作品『不撓不屈」第33回全国和紙画展 金賞受賞
2021年 作品『蛋知之士」第34回全国和紙画展 大賞受賞
2023年 初個展「紙の解像度 PaperResolution」@OKYAKU
2023年 グループ展「okyaku editorial market:issue02」@OKYAKU
2023年 UROCOキュレーション「inanimatescenery, animatescenery.」@Chiang Mai, Thailand
2024年 個展「 “APureGazer” 紙の解像度 その弍 -PaperResolution Ⅱ」@川風のガーデン & Quarter Room