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MOTOKO MARUI “Play”

Play

開催日時:2021/11/3~2021/11/27 12:00-19:00 日・月休廊

@gallery Tsukigime

この度ギャラリー月極では、11 月 3 日より、丸井元子の個展「Play」 を開催いたします。

丸井は東京を拠点とし、アートディレクター / グラフィックデザイナー として様々なブランドキャンペーンや、CD ジャケットなどを手がける 傍、数年前より二人の子供の育児に奮闘しています。 そんな中、第二子妊娠中に製作した ZINE「TASOGALE」をきっかけに、 母親としての思いや体験を作品に表すことを積極的に始めています。

丸井はある時から、公園で出会う大人や、自分自身が、遊具にあまり 興味を示していないことに気づきました。 そんな中、時折見かける遊びのあるデザインの遊具をみて丸井は 感動し、自分もいつか遊具をデザインしてみたいと思うようになりま した。公園利用者は子供だけにとどまりません。すべての人へ向ける 遊具がもっとあったらという想いを巡らせた丸井は、今回の展示で、 公園の遊具の新しいデザインの提案を数点発表致します。

一般的な公園にある遊具は、小さな子供が好きそうな形やモチーフ、 はっきりとした色で作られているものが多く見られます。 加え、昔の公園に比べ、今の公園は規制が増加しており、安全面を 考慮した遊具のみが採用されます。

丸井のデザインした遊具たちは、そのどれにも当てはまりません。 モチーフ、色、遊び方、何をとっても一つの答えが出ない、「ピンクの 象の滑り台」などと言った通称をつけることも難しいものたちばかり です。 しかし、それらは、裏を返せば、数え切れぬほどの解釈を可能にします。 色は、青やオレンジ、といった特定の色で表せると同時に、「夕焼けの色」「昨日飲んだジュースの色」などといった、思い出と結びつけて表現 することもできます。 説明できない色や形、遊び方にすることで、それらを会話の中で 決める機会を作り、想像力やコミュニケーションの幅を広げます。 一つの公園で遊んだという思い出が、遊具の解釈の違いによって、 個性が主張され、より特別なものへと変化してゆきます。それは、 子供同士、大人同士、そして一人だけでの時間の中でも強く印象に 残るものになります。

今回のデザインには、子供のおもちゃや遊具には懸念される「角」も 多く、一見、公園の遊具の提案としては、決して通らぬ案かもしれ ません。しかし、近い将来、今までありえなかった形が採用できる ような、新たな素材や方法が生まれるかもしれない、生まれてほしい、 そんな思いも込められています。 大人には、子供達の安全のため工夫をこらす義務ありますが、子育て の醍醐味の一つは、子供を通してもう一度色々な遊びが出来ることだと 丸井は感じています。 子供は大人が喜んでいる姿を見ることが大好きです。大人も一緒に、 心から遊具を楽しんでいる姿を見せるということも、今後の公園づくり のキーワードになるのではないでしょうか。

その思いがたくさん詰まった今回のデザインたちは、そのような未来 への希望を象徴する「モチーフ」として受け取ってほしいと丸井は 考えます。

アートディレクターと母親という、丸井の二つの顔は、生活の中で 交差し合い、それぞれの活動に影響を与えています。 母親として、いま再び「遊び(Play)」を経験しはじめた丸井の、子供 の頃に見えなかった一面への気づき、新たな発見、そして子供の頃に 感じたワクワクとした感情がたくさん詰まった作品を、この機会に ぜひご鑑賞ください。

【PROFILE】

丸井元子(MOTOKO MARUI) / アートディレクター・グラフィックデザイナー

CD ジャケット、広告、ブランドとのコラボレーションなどを通して ビジュアル表現を行う。

https://www.instagram.com/_motty_/