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beta post
Exhibition
2019/09/21~2019/09/29

beta postは環境問題や伝統工芸などを題材にユーモアとクラフトマンシップを結びつけたコレクションを展開しています。プロダクトを通して、ファッションとしてだけでなく、問題提起をする媒介として「観る人の思考を促すこと」を目的とするブランドです。
今回の展示では、枯山水を用いてプラスチック汚染が現実世界と精神世界に与える影響を表現しています。

枯山水とは、砂や小石で水面を、石や苔で山などの風景を表現する日本庭園や日本画の様式のひとつです。物質的な側面よりも観念性や思考性を重視する現代のコンセンプチュアルアートに近いこの日本文化は、特に室町時代の禅宗寺院で用いられ発達したと言われています。石と砂、苔で作り出す抽象的な庭は、観覧者の感性により情景は異なるものの、それぞれの思う美しい情景(精神世界)へと誘います。

枯山水は石や砂など自然を原料として作られていますが、原料となる自然がプラスチックに汚染されていたら?このまま環境汚染が進行しゴミだらけの海や川しか見る事ができなくなったら?
枯山水を見て美しい情景を想像できるだろうか?
本展示は、そのような疑問や考えを元に制作されています。

枯山水と同時に展示される2019秋冬のコレクションでは、奄美大島の職人と共同開発した「ゴミと伝統工芸品」を合わせたプロダクトを発表します。回収したレジ袋と絹素材 (国指定伝統工芸品である本場大島紬(おおしまつむぎ)の技術を応用)を掛け合わせた新素材で制作されたバッグやTシャツに加え、環境汚染に対するメッセージを含む石や苔に見立てたレザープロダクトを展開致します。

環境を汚染するゴミ問題は簡単に解決できるものではありません。余剰品として価値を失ったものも、捉え方により再度価値のあるものに昇華されます。そのメッセージが、生産者から消費者へ伝わり、環境に対して意識を向ける良いきっかけになる事が理想だとbeta postは考えます。