この度、月極では画家 小澤雅志による個展『Woman, Flower, Music.』を12月10日(土)から12月25日(日)までの期間で開催致します。グラフィックデザイナーを志し武蔵野美術大学に進学するも在学中に、デザイナーになることに対して疑問を抱き、絵画制作をスタートした小澤は、画家として自分は何を描くべきか模索を続けながら多様な絵を描いてきました。「女性の絵」、「植物や動物の絵」、「ミュージシャンの絵」。今回の個展のタイトルにもなっているこれらのモチーフは、小澤の作品の主要であり、今まではそれらをそれぞれ単体で描いてきました。しかし、この数年間、制作の過程において、それらのモチーフがひとつの画面の中に混在するスタイルへと変貌していきました。さらに、その画面の中では様々な異なるシチュエーションや時間軸がランダムに描かれており、それらが幾層ものレイヤーとなって独自の画面を構築しています。描かれているある種異様に謎めいた、ときにユーモアでもある画面は、混沌として不安定である私たちが生きる現実世界への不安や怒り、そして同時に期待や希望をも表していると言えるのではないでしょうか。本個展では、150号の大作も含めた新作25点を展示、販売いたします。さらに、近年の作品群から選りすぐった現時点での小澤の集大成と呼べる画集『Woman,Flower,Music』も同時発売します。皆様にぜひこの機会にご高覧頂けますと幸いです。
[BOOK INFO]
近年の作品群から厳選された現時点での画家 小澤雅志の集大成的画集が同時リリース。
小澤雅志『Woman, Flower, Music.』
定価:¥7,700円(税込)
発行:aptp books
仕様:B5変型・上製本・128頁
ISBN 978-4-909786-08-1
[Profile]
小澤 雅志 Masashi Ozawa
画家。1980年生まれ。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒。女性やミュージシャン、植物などを主なモチーフとし、独自の画面を構築する。音楽業界やアパレルブランド、飲食業界などとのコラボレーションも多数。
Instagram:@masashiozawa 作家HP:https://masashiozawa.com/
[ INTERVIEW ]
Q1:ROOTS
音楽が好きで、レコードジャケットやポスターを描きたいと思いグラフィックデザイナーを目指し、絵の世界に入りました。なので作品の中にもミュージシャンが登場したり、構成の仕方がデザイン的なものが多 いかも。インスピレーションの源も、自分を取り巻く全てではありますが、今も音楽とそれに関わるアートワークや、ファッションやデザイン関連の写真などが多いです。自分の絵の中に多様なニュアンスが含まれているのも、音楽が大胆であり、当たり前のようにジャンルを横断するスタイルと共鳴しているんだと思い ます。ちなみに、最初に衝撃を受けた画家はバスキアでした。
Q2:TURNING POINT
現代美術とかコンセプトとか、そういうことを考えるのをやめて描こうって決めたこと。それによって制作に対して素直になれました。また高校の頃に美術を教えてくれた先生の影響も大きいです。作家活動をしながら美術の先生をやっていた方で、作品を作る楽しさを教わりました。あと美大のデザイン学科に入ったのですが「この先、PCを使えないとデザイナーになれない」 と言われたことも大きいです。とにかく手で描きたかった。正直、デジタル領域は小学生以下の造詣かも知れません(笑)。あまり興味も持てなくて。絵も音楽もアナログが好きです。温度を感じるものが好きなんです。
Q3:ARTWORK
観た人にどのように解釈をしてもらっても構わないと思っているので、制作においてテーマやタイトルをいつも決めているわけではないのですが、モチーフとして「女性」「花」「音楽」を描くことが多かったんです。今までは、それらを単体で描いてきたのですが、ここ数年は全てを混ぜて描くようになったんです。混ぜる上で、いろんなレイヤーが重なって、思いがけない連鎖や表層が現れることがあり、 この表現を突き詰めていくことで、今のスタイルになっていきました。また作品上にあるウネウネは、人間や動物の血管、植物の道管や師管などから着想した、生きるために必要なエネルギーの象徴として描いています。
Q4:ARTBOOK
今回の個展は、画集「Woman, Flower, Music.」の発売を記念した展示でもあります。ここ数年の集大成的画集です。美大時代からの友人でありブックデザイナーとして活躍している宮添浩司くんが「画集を作ろうよ」と声を掛けてくれたことがキッカケでした。彼のデザインが間違いなくカッコイイことは、 承知の上だったので、完全におまかせでやっていただきました。自分の作品の特徴でもある色彩を、どこまで再現できるのかという点に、特に注力しました。藤原印刷さんのご協力のもと、素晴らしいクオリティーの画集になったと思います。もちろん今回の個展で発表した作品も多く掲載してます。